海でぼうけん
(ラッコのきょうだい -海あそびセット-)
ラッコの女の子のマリーナは、およぐことが大すきな元気な女の子。
赤ちゃんのマノンにとって、マリーナはあこがれのお姉ちゃんです。
そんななかよしのふたりのお気に入りは、海の物語。
海で大きな魚にであったり、宝物をさがすぼうけんのお話です。
ある日、マノンに本を読んであげながら、マリーナは楽しいアイデアを思いつきました。
ふたりで物語みたいなぼうけんごっこをするのです。
(マノンがベビーボートで海に出て、大きな魚をつって、そうだ!貝を箱にいれて宝物にしよう!)
その計画をきいたマノンはもちろん大よろこび。
さっそくお気に入りのベビーボートにのって、
「おもかじいっぱーい。」
マノンの声にあわせて、波うちぎわでマリーナがボートをぐんぐんひっぱったり、ぐるっと向きをかえたり。
波をあびながら進むボートにマノンは大はしゃぎです。
ところが……。
「つぎは魚つりよ。大きな魚がつれるかな?」
はりきってつりをはじめたものの、つれたのはかわいい小さなお魚ばかり。
「えーと、大きな魚には出会えなかったけど、つぎは宝さがしね。」
ふたりは浜辺にあがりました。
ポケットに入れておいた貝をはこに入れて宝物にする計画です。
でも、
「しまった!」
マリーナが元気におよぎすぎたせいで貝がこぼれてしまい、ポケットの中にはちょっとしかのこっていません。
「ぼうけんごっこはしっぱいね。」
しょんぼりしかけたマリーナですが、マノンはこのぼうけんが楽しくてたまらないようす。
「こんどは、おねえちゃんといっしょにうみでおよぎたいな。」
「それならまかせて!」
すると、そんなふたりをずっとそばで見守っていたお母さんが、
「ぼうけんはこれからよ。」
と、おそろいのゴーグルをプレゼントしてくれました。
まずはふたりで水に顔をつける練習です。
そして、海に帰っていく小さなお魚さんたちに手をふりながら、
「大きなお魚さんになって、また会おうね。」
とやくそくをしました。
「いまはまだからっぽだけど、いつかこのはこを宝物でいっぱいにしようね。」
なかよしふたりの海のぼうけんは始まったばかりです。