ほいくえんへしゅっぱーつ
(あそぼう!みんなのほいくえんバス)
シルバニア村でほいくえんにかよう赤ちゃんたちが毎日楽しみにしている、ほいくえんバス。
楽しいしかけがいっぱいのバスはみんなのわらい声をのせて、まるでパレードのようなにぎやかさです。
見はらしのいい、いちばん前のせきは、いつも大人気。
けんかにならないように、みんながじゅんばんにすわります。
さあ、今朝はフローラウサギの赤ちゃんシエルのばん。
「しゅっぱつしんこーう!」
はりきって一番のりしたシエルはうんてんせきの上で、元気に手をあげました。
さいしょにむかえにいったのはペルシャネコのお家。
ところが、赤ちゃんのライアンは、
「きょうはほいくえんをおやすみして、みつごちゃんとあそんであげたいの。」
と言って、バスにのってきません。
「じゃあ、みつごちゃんもバスにのって!みんなでほいくえんであそぼう!」
シエルのことばにライアンも大さんせい。
みつごちゃんはくるくるまわるお花のいすでごきげんです。
つぎは、ショコラウサギの赤ちゃんクレムのお家。
でも、シャベルをもっておにわにいたクレムは、
「おねえちゃまにもらったおはなのタネをまきたいんです。」
と、なんだかいそがしそう。
「じゃあ、ほいくえんでタネをまこうよ!」
シエルのていあんに、
「ほいくえんをおはなばたけにしちゃいます!」
クレムもはりきってバスにのりこみました。
こうしてつぎつぎと赤ちゃんたちをのせながら、さいごにむかったのは、ハスキーの赤ちゃんリンネアのお家です。
ところが、お家の前にいたリンネアはなんだかこまり顔。
「アンバーとジェレミーが……。」
ふたりはお気に入りのきしゃのおもちゃからおりたくなくて、ほいくえんには行かない、と言いはっているようです。
(どうしよう。ここにすわらせてあげようかな?)
シエルはしばらく考えると、いちばんまえのせきからおりてきて言いました。
「ふたりが前にのっていいよ! うんてんしてるみたいでしょ?」
いちばんまえのせきにのったふたりはすぐにニコニコのえがおになりました。
シエルはほっとひとあんしん。
ほいくえんについてみんながあそびはじめたとき
「シエル、みんなをバスにのせてくれてありがとう。」
先生におれいをいわれて、シエルはにっこり。
「みんなといっしょのほいくえんバスがだいすきなの。」
とうれしそうにこたえました。