ひみつのお部屋に大しゅうごう

(赤い屋根の大きなお家 -屋根裏はひみつのお部屋-)

ショコラウサギファミリーのすむ赤い屋根の大きなお家にもうひとつすてきなお部屋ができました。
2かいのてんじょうにかくされたはしごをおろしてのぼっていくと……そこはひみつの屋根うら部屋。
「ここにみんなをよんで、いっしょにあそびたいですー!」
と部屋にのぼったショコラウサギの赤ちゃんクレムは大よろこびです。
「そうだ!みんなにしょうたいじょうをかきますー。」

クレムはショコラウサギの女の子フレアにてつだってもらって、さっそくお友だちみんなにお手紙をかくことにしました。
まだ字のかけないクレムがかいたのは、みんながすきなお花やおかしの絵……。
「アンブローズは木のぼり、エマはリンゴがすきです。」
こうして、みんなが一番すきな物の絵がかかれたとびきりすてきなしょうたいじょうが、村中の赤ちゃんのお家にとどけられたのです。

つぎの日から、赤い屋根の大きなお家のポストにもかわいい絵のお返事がつぎつぎととどきました。
「えーと、ケーキのえはマイロのおてがみかな?わあ、すごい!このすなえはきっとカレブからですー。」
絵を見てだれからのお手紙かあてるのもわくわくします。
ところが一通、なにも書かれていないお手紙がありました。
紙からはあまいチョコレートのにおいがします。
「うーん、これはだれからのおてがみ?」

首をかしげたクレムを見て、フレアは楽しそうににっこり。
「このにおいは……きっとあの子ね。だれなのかは、ひ、み、つ。来たときのお楽しみね。」
みんながやってきた日。クレムは屋根うら部屋にのぼると、かいだんをあげてみんなをまっていました。
「みんな、こんにちは。ひみつのかくれがにようこそー。」
クレムの声は聞こえるのに、すがたがみえなくて、赤ちゃんたちはキョロキョロふしぎそうです。

そのとき、パタンとかいだんがおりて、
「わたしはここでーす!」
とすべりだいからクレムがとうじょうしました。
赤ちゃんたちは大はしゃぎ。
「おやつもってきたよー。」
とかごいっぱいのドーナツをもってきてくれたのは、クマの男の子のピアーズと赤ちゃんのジェイソン。
「あっ、もしかして、このチョコレートのにおいは……!」
「やっぱりあのお手紙はジェイソンだったのね。」

赤ちゃんたちのひみつのかくれがごっこがはじまりました。
「またお手紙だすね。」
とおえかきをしたり、おもちゃをつかっておままごと。
かいだんやすべりだいもおもしろくてたまりません。
お庭のテラスからてんじょうの屋根うら部屋まで、赤い屋根の大きなお家はみんなのえがおでいっぱいになりました。

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