海のおしろのプリンセス
(ゆめいろマーメイドキャッスル)
「シルバニアランドにマーメイドキャッスルができたよ!」
うれしいニュースをきいて、さっそくあそびにきた赤ちゃんたち。
みんな、キラキラかがやくすてきなかっこうをしています。
ショコラウサギのクレムも、にじいろのマーメイドプリンセスのドレスでやってきました。
大きな貝がらが目じるしのとびらをあけると……
「わあ! まるでうみのなかにいるみたいですー!」
「クレムー! いっしょにのろうよー。」
大きなくらげのブランコからよんでいるのは
シマネコのアプリコットとしろウサギのソフィー。
ゆらゆらゆれるブランコにのると
まるで海の中をただよっているようです。
じつは、クレムにはここでやりたいことがありました。
それは、海のたからばこさがし。
「おねえちゃまが、マーメイドキャッスルのどこかに
たからばこがあるっておしえてくれたんです。」
クレムがそう言ったのを
アクアゴーラウンドできいていたのは
ぼうけんが大すきなハスキーのリンネア。
くるくるとちょっと目がまわっていたけれど
「たからばこ、いっしょにさがしたい!」
と大はりきりです。
マーメイドエリアにぷかぷかうかぶ水のあわ。
ごきげんであそんでいる小さい赤ちゃんたちは、
まるでおよいでいるみたい。
「たからばこ、しっていますかー?」
クレムはまわりに聞こえるように大きな声で言いました。
「しーっ! おこしちゃうよ。」
とリンネアはあわててとめました。
貝のベッドの中では、フェネックの小さい赤ちゃんカーヤが、
きもちよさそうにおひるね中です。
「じゃあ、おふねにのって、たからばこをさがそうよ!」
クレムとリンネアはドリーム号にのりこみました。
小さい赤ちゃんたちもいっしょです。
ドリーム号から見おろすと、
どうやら、せんすいかんの下にどうくつがあるようです。
「もしかして!」
リンネアとクレムは顔を見合わせました。
さっそく行ってみると、ふたりが思ったとおり。
「ありました!たからばこです!」
クレムとリンネアがそっとあけてみると……
「かんむりだ!」
リンネアはかんむりをクレムの頭にのせてくれました。
「これでクレムもプリンセスだよ。マーメイドプリンセス!」
クレムはとってもうれしくなりました。
「リンネア、ありがとう。おそろいだね!」
「おーい!ふたりとも、かえる時間だよ!」
お兄ちゃんお姉ちゃんがおむかえに来てくれました。
「まだまだあそびたかったです……」
「おうちまで、およいでかえろっか!」
すっかり本当の海のなかにいる気分で、手ですいすい
およぐまねをしながら歩くクレムとリンネアなのでした。