小さなゆうびんやさん

(ヤギファミリー)

ヤギファミリーのお父さんのビリーは村のゆうびんやさん。
毎日、時間どおりにゆうびんを届けてくれて、村のみんなに、
「ビリーさんの『ゆうびんでーす』を聞くのが毎日楽しみ。」
と言われるしっかりものです。
そして、そんなお父さんのいちばんのファンなのが赤ちゃんのジェニー。
「楽しみにまっていてくれるみんながいるから、たいせつに配達しようとがんばれるんだよ。」
といつも話してくれるお父さんにあこがれて、おそろいのようふくまで作ってもらいました。

「ゆうびんはいたつ、したいな。」
そんな妹のジェニーのゆめをかなえてくれたのがやさしいお姉ちゃんのマンディです。
ある日、マンディは一通のお手紙をジェニーにわたして言いました。
「フレアにお手紙をかいたの。これを配達してくれる?」
マンディはお手紙を書くのが大すきで、村のみんなもマンディの心あたたまるお手紙を楽しみにしているのです。

「わあい、はじめてのおしごと!」
ジェニーはお手紙をかばんにしまうと、はりきって出発しました。
とちゅうの広場には、ジェニーがなによりすきなブランコがあるけれど、今日はがまん。
道でお友だちにあそびにさそわれても、
「あとでね!」
楽しみにまっているフレアに早くゆうびんを届けなければなりません。

ところが、お花畑にきれいなお花がさいているのを見ると、
「フレアはお花が大すきだから、これもとどけてあげようかな。」
と、ジェニーはお花をつみはじめてしまいました。
ついむちゅうになって、しばらく時間がたったころ、
「ジェニー、そろそろ行かないと。」
お姉ちゃんに言われて、
「たいへん! おくれちゃう!」
とあわてて歩き出しました。

やっとフレアのお家につくと、
「ゆうびんでーす。おそくなって、ごめんね。」
フレアはお花をそえたお手紙を見て大よろこび。
「すてきなゆうびんをありがとう。こんどはおへんじを書くから、
また届けてね。」
ジェニーはお姉ちゃんを見て、うれしそうににっこり。
えがおも届けてくれる、小さなかわいいゆうびんやさんが村ではひょうばんになりました。

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