フレアのすてきなたんじょうび

もうすぐショコラウサギの女の子フレアのおたんじょうびです。
くるみリスの男の子ラルフとペルシャネコの女の子ライラは
「とっておきのプレゼントを考えなくっちゃ!」
と、はりきっています。
でも、バースデーパーティーのしょうたいじょうをよく見ると、
「かならず赤い服や物を身につけてきてね。」
と書かれていました。
ふたりは「どういうことだろう?」と首をかしげます。
すると、ヤギのお父さんが、
「みんなでおそろいの赤を身につけて、フレアのお祝いをしようってことだよ。」と、教えてくれました。

そして、とうとうフレアのおたんじょうび。
ショコラウサギのお家の前にはたくさんの村の仲間たちが集まりました。
パーティー会場は、あっちを見ても、こっちを見ても、
赤・赤・赤!
ラルフとライラは目を丸くします。

ハスキーの女の子ポーリーンやクマの男の子ピアーズも、プレゼントをわたしながら、
「とってもすてきなパーティー会場だね!」
「フレアのお祝いにぴったりだよ!」
と、くちぐちにこの特別なかざりつけをほめています。
「わたしのお気に入りのワンピースみたいでしょ?お父さんが考えてくれたの!」と、フレアもにっこり。

そんなフレアを見て、ラルフとライラは、
「そういうことだったのか……!」
「ねえラルフ、真っ赤な森の木イチゴがあったらもっとステキじゃないかしら?」
「いいね!フレアをもっとよろこばせようよ!」
ふたりはこっそりパーティー会場をぬけだしました。
けれど、だんだんと空がくもってきて……。

「うわっ、雨だ!」
ラルフとライラが大急ぎで会場にもどると、フレアがみんなにお礼をいっているところでした。
「今日はとってもステキなお祝いをありがとう!雨にぬれないうちに、お家に帰ってね。」
雨ならしかたないね、と帰ろうとしたその時、ライラが声をあげました。
「大変!私たち、フレアにまだプレゼントをわたしてないわ!」
ふたりは目を見合わせます。
「そうだ!それなら、こういうのはどう?」

その夜。雨はすっかりやんで、空にはきれいなお月さまが出ています。
「よかった、明日は今日のぶんまでお外で遊べそう!」
フレアが外をながめていたその時、まどに何かがぶつかりました。
ふしぎに思ったフレアがまどを開けると……
なんと、赤い気球がふわふわと入ってきたのです!

気球にはおえかきセットと赤い木イチゴがのっていました。
「かわいい!」
フレアは目をかがやかせます。
「でも、いったいだれからかしら?」
フレアがまどの下をのぞくと、
ラルフとライラが手をふっていました。
「おたんじょうびおめでとう、フレア!
そのおえかきセットは、ぼくからだよ!」
「気球はわたしが作ったの!木イチゴはラルフとつんだのよ。」
ふたりからのプレゼントに、
フレアはびっくりしながらもおおよろこび。
「ふたりとも、ありがとう!」
こうしてフレアのおたんじょうびに、またひとつすてきな思い出がふえたのでした。

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