あそびのくにへようこそ!
(お城のゆめいろゆうえんち)
ある日、赤ちゃんたちがパンダさんのお家にあつまって、お絵かきをしていました。
パンダの赤ちゃんのクララちゃんとショコラウサギの赤ちゃんのクレムちゃんがかいていたのは、
『いってみたい、あそびのくに』
「おしろでね、おひめさまになるの。」
「ロケットでおそらにいきたいな。」
「おふねでぼうけんしよう!」
そんな赤ちゃんたちの楽しいくうそうでいっぱいの絵を見て、
「すばらしいアイデアだ!こんなゆうえんちを作ったらみんなよろこぶにちがいない。」
と考えたパンダのお父さんのウォルターさん。
もともとひとを楽しませることが大すきなウォルターさんは、さっそく村のおとなたちにそうだんをもちかけました。
そして、赤ちゃんたちの絵をもとにかんせいしたのがゆめの国のようなゆうえんちです。
しょうたいされた赤ちゃんたちは、空にそびえるおしろやはじめて見るのりものに、大はしゃぎ。なかでもクララちゃんは、自分たちの絵がほんもののゆうえんちになって、うれしくてたまりません。
クレムちゃんたちがかんらんしゃにのるときも、
「おそらのたびにいってらっしゃーい。」
と自分はのらず、みんなのおせわにむちゅうです。
赤ちゃんたちに大人気のバイキングでは、
「さきにのっていいよ。たのしいよ。」
クララちゃんはみんなにじゅんばんをゆずってあげてばかり。
「クララちゃん、ロケットにいこうよ!」
ペルシャネコの赤ちゃんのライアンちゃんにさそわれて、まだなにものっていなかったことにやっと気がつきました。
「うん!いこうね。」
とクララちゃんはロケットにむかったのですが……。
そのとき急に雲がひろがって、雨がふりだしていました。赤ちゃんたちはカフェにかけこんで、おやつを食べながら雨のやむのをまっていたのですが、ようやく雨があがったのはもう夕ぐれです。
「きょうは、もう、なんにものれないかなあ。あ、そうだ!おしろにいってみよう。」
と、クララちゃんはおしろのかいだんをのぼっていきました。
おひめさまが大すきで、おしろにあこがれていたのです。
すると、そのとき。
ぱっとまわりが明るくなって、大きな花火があがりました。
おしろの1番高いところで、空を見上げたクララちゃん。
「わあ、いいなー、クララちゃん、おひめさまみたい!」
みんなが下で手をふっています。
「みんなもおいでよー!」
と、クレムちゃん。
つぎつぎとあがる花火に、赤ちゃんたちのえがおとゆうえんちがあかるくかがやいていました。