みんなでハイキング!
(キャラメルイヌファミリー)
キャラメルイヌファミリーは家族そろって
ハイキングが大すき。
学校のみんなでハイキングに行くことになったとき、
キャラメルイヌの女の子が、
「このあいだ、家族でとってもけしきのいい野原に行ったの。
みんなをそこにあんないしたいな。」
と言うと、先生もお友だちも大さんせいしてくれました。
そして当日は野原までの道あんないをすることになって
はりきったキャラメルイヌちゃん。
楽しいことがあるともうじっとしていられなくて、
前の日にひとりでハイキングの
下見に行くことにしたのですが……。
じつは、キャラメルイヌちゃんはちょっとほうこうおんち。
「たしか、こっちだったよね。」
元気に歩いて行くものの、
「あれ?ここはさっきも通ったっけ?」
気がつくと同じところをぐるぐる回っていて、
いつまでたっても野原にたどりつけません。
「どうしよう。これじゃ、みんなを道あんないできないわ。」
とうとうしょんぼりと木の下にすわりこんでしまいました。
すると、そのとき。
「キャラメルイヌちゃん。」
やさしい声がしてふりむくと、キャラメルイヌのお父さんと
お母さんが木のかげから顔をのぞかせていました。
「お父さん!お母さん!」
キャラメルイヌちゃんをしんぱいして、
家族でむかえに来てくれたのです。
話を聞いたお母さんは、
「それなら、これを見て。」
と、地図をくれました。
お母さんのお気に入りの場所がたくさん書きこんであって、
これを見れば、行きたかった野原までの道も
すぐにわかります。
そしてバードウォッチがしゅみのお父さんは、
もうひとつ、すてきなことを教えてくれました。
学校のハイキングの日。
キャラメルイヌちゃんが、お母さんの地図を見ながら
みんなを野原にあんないすると、
「すてきな所に連れてきてくれてありがとう!」
と、みんなも大よろこび。
キャラメルイヌちゃんはにっこりわらうと、
林に向かって口ぶえをふきはじめました。
お父さんが教えてくれた小鳥の鳴きまねをしたのです。
やがて、かわいい小鳥がまわりのえだにあつまってきて、
いっしょにさえずりはじめました。
「わあ、キャラメルイヌちゃん、すごい!
わたしにも教えて。」
みんなによろこんでもらえて、
ますますハイキングがすきになった
キャラメルイヌちゃんでした。