赤ちゃんはナビゲーター?

(たのしくおでかけファミリーカー)

ブッブー。
かろやかな音をたててシルバニア村の道を走っていくのは、
みんなの大すきなファミリーカー。

お買いものや家族のドライブに、
べんりで楽しい村のみんなの人気ものです。

おとなや子どもたちはもちろん、
赤ちゃんたちも、チャイルドシートにすわって
ドライブするのがなによりのお気に入りでした。

ある日、ショコラウサギさんの一家が、
車でマーケットに行くことになりました。

「しゅっぱつしんこーう!」
赤ちゃんもチャイルドシートにすわってごきげんです。

そして、楽しそうにまどの外を見ていたのですが、
まがり角に来ると、
「あっち。」
と、まがる方向をゆびさしました。

そして、それからもまがり角のたびに、
「こんどはこっち。」「あっち!」
と、つぎつぎとゆびさして、
マーケットにつくまでの道を
まちがえずにぜんぶ言うことができたのです。

「よく道をおぼえていたね、えらいね。」

家族のみんなにほめてもらって、
赤ちゃんはうれしくてたまりません。

何日かたって、みんなでピザ屋さんにいくときも、
「あっち。」「つぎはこっち。」
と、せいかくに道あんないをはじめた赤ちゃん。

そのうえ、
赤ちゃんの言うとおりの道を通ってみると、
そこはお父さんも知らなかった近道でした。

「よくわかったね。道あんないできるなんて、すごい!」
と家族のみんなもびっくりです。

そのつぎの日、ショコラウサギのお父さんは、
「ちょっとようじがあるから、クマさんの家に行こう。」
赤ちゃんをのせて車ででかけました。

すると、楽しそうに道あんないをはじめた赤ちゃん。

それはいつもとはちがう道でしたが、
お父さんは赤ちゃんのいうままに走ってみることにしました。

ところが……ついたのはなぜかお花畑。

「なんだ、赤ちゃんは道あんないじゃなく、
自分の行きたいところを言っていただけなんだね。」
と、思わずわらってしまったお父さん。

「でも、楽しいドライブになったね。」
と、せっかくなので、ベビーカーを出して
みんなでお花畑のさんぽをすることにしました。

「みちあんない、だーいすき!」
ドライブとおさんぽに、赤ちゃんは大まんぞくでした。

商品ページへ
HOME おはなし一覧