空からのおくりもの
(ペルシャネコの女の子・グレーおねえちゃん)
お姉ちゃんのペルシャネコの女の子は、空や風や雲などのしぜんが大すき。
いつも空をながめて、風のむきや雲の形をかんさつしていました。
そして、
「今日はおひるくらいから雨がふりそうよ。」
と、天気をよほうしてくれるので、みんな大だすかりです。
ペルシャネコさん一家が楽しみにしていたピクニックの日。
朝から空ははれていましたが、お姉ちゃんは山のむこうにうかぶ雲が気になってしかたありません。
「だいじょうぶ、雨はふらないよ。」
と言うお父さんに、
「そうだといいけど…。」
と、妹のペルシャネコちゃんと声をそろえて答えたのですが……。
ペルシャネコさん一家が家を出てしばらくしてから、みんなはお姉ちゃんが大きなバッグをもっていることに気がつきました。
「お姉ちゃん、そのバッグには何が入っているの?」
と、家族のみんながふしぎそうにたずねても、お姉ちゃんは、
「ないしょ。」
と、にっこりわらうだけです。
ところが、しばらくすると空にくらい雲がひろがって、大つぶの雨がふりだしました。
みんなはあわてて大きな木の下で雨やどりをしたのですが、
「ずっと楽しみにしていたのに。」
と、がっかり。
そのとき、お姉ちゃんがあの大きなバッグの中から、みんなのレインコートをとりだしました。
「雨がふるかもしれないと思って、ねんのためにもってきたのよ。」
と、お姉ちゃん。
「さすが、お姉ちゃん!」
みんなはさっそくレインコートをきて、雨の中へくり出しました。
「わあ、キラキラしいてる。」
と、はっぱからながれる雨つぶをながめたり、水たまりでバシャバシャととびはねたり。
「雨の日のピクニックもとってもすてきね。ありがとう。お姉ちゃんがちゃんとよういをしてくれたおかげよ。」
お母さんのことばに、うれしそうにうなずいたお姉ちゃん。
しばらくすると空を見上げて、こんなことを言いました。
「もうすぐ、もっとすてきなことがおこるかも。」
そして、みんながまっていると、まもなく雨がやんで、空いっぱいに大きなにじがかかったのです。
「わあ、きれい!」
と、みんなは大かんげき。
「雨もにじも、お空からのプレゼントよ。」
と、空を見上げて、ますますしぜんがすきになったペルシャネコのお姉ちゃんでした。