お母さんのまもり星
(ペルシャネコのお母さん)
ペルシャネコのお母さんは、星をみることが大好き。
お母さんの本だなには、星やうちゅうにかんするむずかしい本が、ぎっしりならんでいます。
そして、子どもたちが星やせいざについてたずねると、つぎからつぎへといろいろな話をしてくれて、時間のたつのもわすれてしまうほどでした。
そんなある日、学校から帰ってきたペルシャネコのふたごの女の子たちが、お母さんにこんなことを言いました。
「学校のはっぴょう会でふたりで歌をうたうことになったの。」
「今からドキドキしちゃう。じょうずにうたえるかな。」
ふたりとも、ちょっとしんぱいそう。
そこで、その夜、お母さんは、
「星を見に行きましょう。」
と、女の子たちを野原にさそいました。
見上げると、空いっぱいに星がかがやいています。
「あの星のなかから、ひとつ、自分のお気に入りをえらんでごらんなさい。」
と、お母さん。
「わたしは子どものとき、お気に入りの星を自分のまもり星にきめていたのよ。とおくから星が見まもってくれていると思うと、どんなときでも安心できたの。」
お母さんのすてきな話をきいて、ふたりは東の空でならんでかがやいている2つの星をえらびました。
「ふたりのふたご星ね。」
と、お母さんはにっこり。
つぎの日、お母さんは、
「これがふたりのまもり星よ。」
と、ふたりにゆうべ見た星のようにきらきらひかるおそろいのペンダントをくれました。
アクセサリーのデザイナーでもあるお母さんが、ふたりのために作ってくれたのです。
「わあ、きれい! ありがとう! お母さん、大すき!」
おれいを言う声もぴったりそろった女の子たち。
もちろん、ステージでもいきのあったきれいなハーモニーをひびかせて、はっぴょう会は大せいこうでした。
まもり星のペンダントと、そして、だれよりも、お母さんがかんきゃくせきからふたりを見まもっていてくれたからです。
それからは、いっしょに星を見るのがますますすきになったペルシャネコのお母さんと女の子たち。
「あのせいざはなに?」
「ながれ星はどこに行くの?」
と、いろいろなことをきいてくる女の子たちに、お母さんは
「お母さんももっとべんきょうしなきゃね。」
とうれしそうにわらうのでした。