お父さん、かっこいい
(ペルシャネコのお父さん)
ペルシャネコのお父さんは、おしゃれでかっこいいと、村でもひょうばんのお父さんです。
とくにダンスはとくい中のとくいで、パーティーやコンサートでは、かれいなステップが大人気。
「ペルシャネコさんみたいにおどれたらいいな。」
と、村の子どもたちのあこがれのまとでもありました。
街のお姉さんたちとも、りゅうこうのファッションの話でいつももりあがっていて、村の女の子たちにうらやましがられるほど。
そして、ほかのお父さんたちが、
「こんどのパーティーで、どんなかっこうをしたらいいかな?」
と、こっそりききにくると、そのお父さんにぴったりのようふくをえらんでくれるのです。
そんなペルシャネコさんですから、赤ちゃんや女の子たちとさんぽに行くときでさえ、ちゃんとみだしなみをチェック。
「うーん、このシャツにこのズボンは合わないなあ。」
と、なかなか出かけられなくて、
「おとうさん、まだあ?」
と、みんなまちくたびれてしまいます。
やっとしたくができると、ふたごちゃんのベビーカーをおして、赤ちゃんと手をつないで、さっそうとおさんぽにしゅっぱつ。
道で出会うみんなに、
「ペルシャネコちゃんのお父さんはいつもすてきだね。」
と、ほめられるとペルシャネコの女の子たちもうれしくてたまりません。
公園につくと、すな場で赤ちゃんたちがあそんでいました。
みんな楽しそうなどろんこです。
「おとうさんもいっしょにあそぼ。」
と、ペルシャネコの赤ちゃんがお父さんを見上げると、
「よーし。行こう。」
と、お父さんは赤ちゃんとすな場へかけだしていきました。
そして、みんなといっしょに大きな山やトンネルを作りはじめると、赤ちゃんたちは大よろこび。
思いきりあそんで、すてきなシャツもズボンもすぐにすなだらけですが、お父さんは気にしません。
「おじさん、また、あそぼうね。」
と、ここでもペルシャネコのお父さんは一番の人気者でした。
「今日は楽しかったね。」
家に帰って、すぐに着がえると、お父さんはいつものおしゃれなお父さんにもどりました。
(おしゃれでダンスのじょうずなお父さんもかっこいいけど、みんなとあそんでくれるお父さんが、一番かっこいいな。)
と、子どもたち。
ペルシャネコさんは、どんなときでもじまんのお父さんなのです。