花たばのおくりもの
(街のフラワーギフトセット)
みるくウサギのお姉さんは
フラワーショップのコーディネーター。
お店に行ってお姉さんにお花をちゅうもんすると、
なにげないおしゃべりをしながら、
そのひとにぴったりの花たばを作ってくれます。
そして、きれいな花たばはもちろん、
みるくウサギのお姉さんとの楽しいおしゃべりが
みんなをすてきなえがおにしてくれるのです。
あるとき、ショコラウサギの女の子が、
フラワーショップにやってきてお花をちゅうもんしました。
「音楽会で、ピアニストのライオンさんにわたしたいの。」
みるくウサギのお姉さんは、おいわいやおれいの花など、
ひとをしあわせにする花たばを作るのが大とくいです。
ライオンさんのすてきなえんそうにぴったりの
きれいな花たばを作ってもらって、
ショコラウサギちゃんは大よろこびでした。
つぎのにちようび、
ショコラウサギちゃんたちはみるくウサギのお姉さんに、
バラのギフトボックスの作り方を教えてもらいました。
「もらったひとのえがおを思いうかべながら作ってね。」
と、アドバイスをしてくれたお姉さん。
「どうしてフラワーコーディネーターになろうと思ったの?」
と、ショコラウサギちゃんがたずねると、お姉さんは
にっこりわらってこんな話をしてくれました。
「子どものころピアノがじょうずにひけなくて、
毎日学校にのこってひとりでれんしゅうをしていたの。
そのとき、いつもだれかが音楽室のまどべに、
お花をおいていってくれたのよ。
それがだれかはわからないけれど、
そのお花に元気づけられてがんばれたわ。
それからお花が大すきになって、
ひとをよろこばせる花たばを作りたいと思ったのよ。」
すると、となりでそれを聞いていた
メイプルネコのお姉さんがびっくりして言いました。
「わたしが子どものころ、
いつも音楽室からすてきなピアノがきこえていたの。
それで、おれいのお花を毎日まどべにおいていたのよ。
それからお花できもちがつたえられるようになりたくて、
お花屋さんになったの。」
「あのときお花をくれたのは、メイプルネコさん?」
「ピアノをひいていたのは、みるくウサギさん?」
「あのときはありがとう!」
大切な思い出のあいてが大親友だとやっとわかって、
ふたりは大よろこび。
そんなお姉さんたちが作る花たばは、
いつもみんなをしあわせいっぱいにしてくれるのです。