川はお友だち!
(カワウソファミリー)
カワウソファミリーは、とってもゆかいななかよし一家。
かぞくみんなでおさんぽするのが大すきで、
お母さん手作りのお魚をデザインしただっこひもは、
赤ちゃんたちのお気に入りです。
そして、そんなカワウソさんたちが大すきな場所はせせらぎ川。
赤ちゃんたちに川でおよぐお魚を見せてあげるのです。
すいすいおよぐお魚をながめると、
赤ちゃんたちは大よろこび。
だからお父さんとお母さんは、川の中のおちばをひろったり、
きしべの手入れをして、川をとても大切にしています。
それで、村のみんなにも、
「カワウソさんのおかげで、いつも川がきれいだね。」
と、かんしゃされていました。
そんなある日、カワウソさんたちは、
ある楽しいことを思いつきました。
「大すきなだっこひもと同じお魚を見たら、
赤ちゃんたちはきっとよろこぶよ。
おもちゃの魚を作って川でおよがせてみようか?」
そして、ふたりはさっそくだっこひもと
同じ青色の魚のおもちゃを作りはじめたのです。
魚のおもちゃができあがると、お母さんはそれを川へもっていって、
まるでおよいでいるように水の中にしかけました。
(これを見たら、ふたりはきっと声をあげて大さわぎね。)
赤ちゃんたちのよろこぶ顔を思いうかべるだけでワクワクしてきて、
お母さんはふたりを連れてくるのがまちきれないほどです。
「さあ、川へお魚を見に行こう。」
そう言っておでかけのよういをすると、
赤ちゃんたちはにこにこ。
お父さんたちは顔を見合わせてそっとわらいながら、
いつものように川へとむかいました。
そして、
「ほら、お魚がいるよ。」
と、赤ちゃんたちに水の中を見せようとした、そのとき……。
パシャン、と水音がして、
きれいな色のお魚が水面からはねあがりました。
そのままゆうゆうとおよいでいくお魚を見て、
お父さんとお母さんはびっくり、赤ちゃんたちは大はしゃぎ。
それは、カワウソさんたちがいままで見たこともないほどきれいな、
本物のお魚だったのです。
「青色のお魚といっしょにあそびたくて、出てきたのかな?」
と、カワウソさんたちはふしぎそうにつぶやきました。
そして、大よろこびの赤ちゃんたちのえがおを見て、
うれしそうににっこり。
「また、会えるといいね。」
こうしてカワウソさん一家はますます川が大すきになりました。