チーズをおいかけて
(森のピザ屋さん)
ある日、ショコラウサギの赤ちゃんは、
お母さんたちと森のピザ屋さんに行きました。
とろりとのびるチーズが赤ちゃんの大のお気に入りです。
「もうすこしでピザがやけるから、まっていてね。」
店長のマシュマロネズミのお父さんに言われて、
テーブルでまっているうちに、
赤ちゃんはウトウトいねむりをはじめてしまいました。
そして、赤ちゃんはゆめの中。
「さあ、できたよ。」
マシュマロネズミさんがだしてくれたのはやきたてのピザ!
「おいしそう!いただきまーす!」
ショコラウサギちゃんがひときれ手にとったのですが、
とけたチーズがのびて、なかなか切れません。
ショコラウサギちゃんがいすから立ち上がっても
あつあつのチーズはとろりとのびていきます。
「チーズがきれないわ。」
ショコラウサギちゃんは、
チーズがのびたピザをひと切れ持ったまま
入口から外へ出ていきました。
赤ちゃんもあわててそのあとをおいかけます。
チーズはどんどんのびつづけて、
どこまでいっても切れません。
とうとうショコラウサギちゃんと赤ちゃんは、
林の中まで入っていってしまいました。
林であそんでいたお友だちも、
「わあ、おいしそう!」
と、あつまってきて、
赤ちゃんは楽しくてたまりません。
「みんなでたべよう!」
そう言ったところで目がさめた赤ちゃん。
「さあ、できたよ。」
と、ちょうどピザもやきあがったところでした。
「あのね、ゆめでチーズがどこまでものびたの。」
と、赤ちゃんが楽しそうに話しながら食べようとすると、
でまどの外からお友だちがのぞいています。
「たくさんやきあがったから、みんなで食べよう。」
マシュマロネズミさんの言葉に、みんな大よろこび。
外にテーブルをだして、
すてきなピザパーティーのはじまりです。
「みんなでたべるともっとおいしいね。」
赤ちゃんはうれしそうに
チーズのとけたピザをほおばりました。