メイクのまほう
(シルクネコのお姉さん)
シルクネコのお姉さんは、
おしゃれなメイクアップアーティスト。
発表会やデートなどのお出かけまで、
そのときどきにぴったりの
メイクをしてくれると大ひょうばんです。
ショコラウサギのお姉さんとも、とってもなかよし。
ふたりはいつもおしゃれをして、
いっしょにお出かけを楽しんでいます。
ショコラウサギのお姉さんがはじめてのデートに出かける日、
コスメショップにやってきました。
ドキドキしているショコラウサギのお姉さんに、
「ちょっとメイクしてあげる。」
と、シルクネコのお姉さん。
かがみの中のはれやかな顔を見て、
ショコラウサギのお姉さんは
えがおで出かけていきました。
「シルクネコさんにメイクしてもらうと、元気が出て、
とってもすてきな気分になれるのよ。」
と、ショコラウサギのお姉さんが
ショコラウサギの女の子に話してくれました。
「メイクにはきれいになるだけじゃなくて、
前向きな気もちになれて、じしんがもてる力があるのよ。」
シルクネコのお姉さんのことばにみんなもうなずきました。
ある日、シルクネコのお姉さんがドレスショップに行くと、
ショコラウサギの女の子とシルクネコの女の子が、
きれいなドレスにきがえていました。
これからふたりは、はじめての音楽会。
「じょうずにできるか、しんぱいなの。」
音楽会は楽しみなのですが、
ちょっときんちょうぎみのようです。
「じゃあ、目をつむって。わたしがまほうをかけるわ。」
シルクネコのお姉さんがやさしく言いました。
しばらくドキドキしながら、目をつむったあと、
「さあ、目をあけて。」
そっと目をあけて、
かがみを見たショコラウサギちゃんはびっくり。
お姉さんはドレスによくにあうメイクをしてくれたのです。
「かわいい!」
「ほんとうにまほうみたい!」
すっかりじしんをつけたふたりは、
元気に出かけていきました。
「行ってらっしゃい。楽しんで。」
お姉さんはにっこりとえがおで、
うれしそうにふたりを見おくるのでした。