赤ちゃんのオーケストラ
(メイプルネコの赤ちゃん)
メイプルネコの赤ちゃんは音楽が大すき。
とくに、いろいろながっきにきょうみしんしんです。
ある日、赤ちゃんはお母さんといっしょに、学校にえんそう会のれんしゅうを見に行きました。
きれいな音楽にさそわれて教室に行くと、子どもたちががっきのれんしゅうのまっさいちゅう。
たいこやシンバルのリズムに、きれいなふえの音……。
メロディーにあわせて、たくさんのがっきがいっしょになりひびくのをきいて、赤ちゃんは、
「わあ、すごい、すごい!」
と、大かんげき。
あんなふうに自分もたくさんのがっきをえんそうしてみたくて、たまらなくなりました。
そこで、つぎの日、さっそくお友だちの赤ちゃんたちとえんそう会ごっこをはじめた赤ちゃん。
ところが、
「いち、にの、さん!」
プー! バーン! タンタン!
みんながいっせいにがっきをならしたので、見ていたふたごちゃんがその音の大きさにおどろいて、なき出してしまいました。
「ごめんね、もうしない。」
と、赤ちゃんはしょんぼり。
そんな赤ちゃんを元気づけたくて、メイプルネコの子どもたちは、
「いっしょにえんそうしよう。」
と、歌にあわせて、すずのならし方を教えてくれました。
「ふたごちゃんも本当は音楽が大すきだから、聞かせてあげて。」
と、メイプルネコの女の子。
「うん!」
そして、ふたごちゃんがぐずりかけたとき、赤ちゃんが歌いながらすずをならしてあやしてあげると、ふたりはすぐにごきげんになったのです。
「赤ちゃんはふたごちゃんをあやすのがじょうずね。」
と、お母さんにもほめてもらって、赤ちゃんは大よろこび。
赤ちゃんはふたごちゃんをあやすのが、大とくいになりました。
さらにうれしいことに、赤ちゃんが毎日すずのれんしゅうをしていたら、メイプルネコちゃんが、
「学校のえんそう会にでない?」
と、さそってくれたのです。
えんそう会では、子どもたちの音楽にあわせて赤ちゃんのかわいいすずの音がひびきました。
いろいろながっきとみんなのはくしゅにかこまれて、赤ちゃんは大まんぞくです。
(もっともっといろんながっきを、えんそうしたいな。)
と、ますますがっきが大すきになった赤ちゃん。
いつか大きなぶたいでえんそう会をすることが、メイプルネコの赤ちゃんのゆめなのです。