はじめてのドライブ
(おでかけファミリーカー)
今日は、ショコラウサギさん一家がまちにまったピクニックの日。
でも、今日のピクニックは、いつもとちょっとちがいます。
家の前にとまっているのは、おしゃれな赤い車。
そう、今日はキラキラこまではじめてのドライブなのです。
この車は、新しいなか間のチワワさん一家が引っこしてきたときにのってきたもので、それが今では、村のみんなの車になりました。
「あそび道ぐもいっぱいもっていこうよ。」
「おべん当もわすれないでね。」
車ならにもつもたくさんのせられます。
お父さんがハンドルをにぎって、さあ、出ぱつ!
と、そのとき、ショコラウサギの男の子のおなかがグーッとなりました。
「えへへ、うれしくて朝早くからおきていたから、もうおなかすいちゃった。」
と、ショコラウサギくん。
「じゃあ、チワワさんのハンバーガーやさんによっていこう。」
というお父さんのていあんに、みんな大さんせいです。
あらためて、ハンバーガーやさんにむかって、出ぱつしん行!
チワワさんのハンバーガーはとってもおいしいうえに、ドライブスルーで車にのったままちゅう文できるのです。
ハンバーガーやさんで、
「こんにちは!ごちゅう文は何にしますか?」
と、え顔でむかえてくれたのはチワワの女の子。
「ハンバーガーとポテトをください。」
ショコラウサギくんが、うしろのまどからみをのりだして、ちゅう文しました。
「はい。少々おまちください。今日はどこに行くの?」
「キラキラこにドライブだよ。ずっと楽しみにしてたんだ。」
ドライブスルーのまどごしにおしゃべりもはずみます。
「わたしはこれから、クマくんにスペシャルバーガーをとどけに行くのよ。きのう、野さいをはこぶのを手つだってもらったおれいなの。」
と、チワワちゃん。
それを聞いたショコラウサギさんたちは、
「じゃあ、とどけてあげるよ。車ならすぐだから。」
と、こんどはクマさんのお家に、むかうことになりました。
「ありがとう!おねがいね。」
走り出した車からふりかえると、ハンバーガーやさんのまどから手をふるチワワちゃんがどんどん小さくなっていきます。
「バイバイ、いってきまーす!」
と、子どもたちは大きく手をふりかえしました。
ハンバーガーをほおばりながら、まどの外を見ると、見なれた風けいもなんだかいつもとちがうみたい。
「見て、見て、赤ちゃんゆうえんちだよ。」
「ほら!お花ばたけ!きれいね。」
子どもたちは大はしゃぎです。
ようふくやさんの前では、シルクネコの女の子がお店から出てきて手をふってくれました。
クマさんのお家について、ショコラウサギの女の子がまだホカホカのハンバーガーとポテトをわたすと、クマの男の子は、
「わあ、すごい!こんな大きなハンバーガーはじめてだよ!わざわざとどけてくれて、ありがとう!」
と、大よろこびでした。
「いいんだよ。車だからすぐついたもん。」
と、ショコラウサギくん。
そして、クマの女の子が、
「みるくウサギちゃんにかりた本をかえしにいくのをわすれていたの。いそいで行ってくるね。」
と、お母さんに言っているのを聞いて、
「とどけてあげるよ。車ならすぐだから。」
ショコラウサギさんたちは、またまた車の行き先をかえて、みどりのおかにむかうことになったのです。
せせらぎ川ぞいの道を走っていると、まどからすずしい風がはいってきてとってもいい気もち。
林の上をとんでいく小鳥に、手をふりながら、
「小鳥さーん、お先にー。」
と、子どもたちは楽しくてたまりません。
チャイルドシートの赤ちゃんも、
「くるまでおでかけ、うれしいな。」
と、ごきげんです。
「もうすぐ、みるくウサギさんのお家だよ。」
おかのさか道も、車なら楽にのぼれました。
こうしてみるくウサギちゃんに本をとどけ、車はようやくキラキラこへとむかったのです。
みんながキラキラこについたのは、ちょうどお昼の時間でした。
「おべん当を食べたらつりをしようよ。」
「ボールあそびもしたいわ。」
はしゃぐ子どもたちに、お母さんは、
「ゆっくり食べてね。あそぶ時間はたくさんあるわ。車ならすぐ帰れるもの。」
と、ピクニックテーブルいっぱいにおべん当をひろげました。
「でも、帰りはすぐ家についちゃったらつまらないな。」
「もっと車にのりたいね。」
と、子どもたち。
「じゃあ、帰りは村を一しゅうして帰ろうか?」
というお父さんの言ばに、
「うん、大さんせい!」
「ドライブ、だーいすき!」
と、みんな大よろこびです。
すてきな車のおかげで、シルバニア村にまたえ顔がふえました。